★最新情報★
令和6年度補正予算が閣議決定され、2023年・2024年から継続している省エネ住宅への大型補助金制度の概要が発表されました。
【今回のポイントについて】
●11/22以降に工事着手した物件から対象に。
→今から工事をする物件は25年度版の補助金対象になります。
●窓リノベの予算は昨年同等の1,350億円。
●補助額は若干縮小。(内窓のみ縮小)
●中高層のBグレード廃止
●窓の「極小サイズ」廃止
●子育てエコ→子育てグリーン住宅支援事業へ内容は新築・リフォームで条件異なる。
昨年同等の予算2,250億円。
●キッチン・浴室など住宅設備リフォームだけでは申請できなくなりました。断熱改修とのセットで申請可能に。
●最低申請金額条件が厳しく!:昨年度までのワンストップ申請時は2万円から申請できましたが
一律5万円からの申請に。
2024年11月29日、令和6年度補正予算案が閣議決定され、2025年も省エネリフォームに対する
大型補助金が継続されることになりました。
高断熱窓にに最大200万円という大規模補助金で大きな反響を呼んだ『住宅省エネ2024キャンペーン』
の後継事業にあたり、今回も同じ規模の補助金制度になっています。
「リフォームしたかったけど2024年補助金に間に合わなかった!」
という方には朗報ですね!
2025年補助金を確実に受けるためには早めの準備が必要です。
工事内容 | 補助対象 | 補助額 | 補助金制度 | ||
---|---|---|---|---|---|
①省エネ改修 | 1)高断熱窓の設置 | 高性能の断熱窓
(改修工法は未発表) |
リフォーム工事内容に応じて定額補助
上限200万円/戸 |
「先進的窓リノベ2025事業」 | |
2)給湯器 | 高効率給湯器の設置 | 高効率給湯器
(エネファーム ・ハイブリッド ・エコキュート など) |
定額補助: エネファーム:16~20万/台、ハイブリッド:8~15万/台、エコキュート:6~13万/台補助金上乗せ:導入と併せて撤去費用補助 a.蓄熱暖房機=8万/台(上限2台まで) b.電気温水器=4万/台(上限2台まで) |
「給湯省エネ2025事業」 | |
既存賃貸集合住宅におけるエコジョーズ等取替 | 従来型給湯器から
エコジョーズ エコフィール に取替設置 |
追焚機能なし:5万/台 追焚機能あり:7万/台 |
「賃貸集合給湯省エネ2025事業」 | ||
3)開口部・躯体等の省エネ改修工事 | 必須工事:
①開口部の断熱 ②躯体の断熱 ③エコ住宅設備の設置 (ドア・窓の高断熱化、 外壁・天井・床の断熱、 節湯水栓・高断熱浴槽 などの設置) |
リフォーム工事内容に応じて定額補助
Sタイプ:必須工事3種すべて実施で 上限60万円/戸 のうちいずれか2種を実施で 上限40万円/戸 |
「子育てグリーン住宅支援事業」 | ||
②その他のリフォーム工事 | 住宅の子育て対応改修、
バリアフリー改修、 高機能付きエアコン 設置 等 |
今回の補助金制度をワンストップ利用すれば、リフォーム工事内容によっては最大280万円が可能になります。
※ ご注意 令和7年4月より建築基準法の改定
これまで不要だったリフォームも申請が必要に
これまでは、木造2階建て以下の住宅(四号建築物)なら、増築や間取り変更をしても、建築確認申請が不要なケースが多くありました。
しかし、2025年4月以降は、増築やリノベーションの内容によっては建築確認申請が必要になります。
もし事前に確認せずに工事を始めてしまうと、「申請が必要だった」となり、工事がストップしたり
追加費用が発生したりする可能性も。
知らずにトラブルになる前に、どんなリフォームが対象になるのかチェックしておきましょう。
1. 10㎡以上の増築(防火地域では面積に関係なく必要)
増築とは、家の床面積を増やすこと。
これまでは10㎡以内なら申請不要でしたが、2025年4月からは
10㎡を超える増築はすべて建築確認申請が必要になります。
また、防火地域では面積に関係なくどんな増築でも建築確認申請が必要になるため注意が必要です。
例えば…
- リビングを広げるために10㎡以上の増築をする
- 2階を増築して部屋を増やす
- ウッドデッキやカーポートを固定式の屋根付きにする(※構造による)
「少しだけ広げるつもりが、思ったよりも手続きが大変だった…」なんてことにならないよう、
事前に申請が必要かどうかを確認しておきましょう。
2. 主要構造部(柱・梁・屋根など)の過半を改修する場合
家の骨組みに影響を与える大規模なリフォームも、2025年以降は建築確認申請が必要になります。
主要構造部とは、建物を支える柱・梁・屋根・壁・基礎などのこと。
これらの過半数を変更する場合は、建物の安全性を確認するための申請が求められます。
例えば…
- 1階の壁や柱を大幅に撤去して、間取りを大きく変更する
- 屋根の形を変えるなど、耐震性に影響を与える工事をする
- 外壁の半分以上を改修し、耐火性能や耐震性能に関わる工事をする
大きく家の構造を変えるリフォームでは、建築基準を満たしているかどうかの確認が必要になります。
3. スケルトンリフォーム(耐震補強を含む大規模改修)
スケルトンリフォームとは、家の骨組みだけを残して、内装や間取りを大幅に変更するリフォームのこと。
これまでは、スケルトンリフォームでも内容によっては建築確認申請が不要なケースがありましたが、
2025年4月以降は建築確認申請が必要になります。
例えば…
- 築40年以上の家をスケルトンリフォームして、間取りを全面的に変更する
- 耐震補強をしながら、屋根や外壁を大規模に改修する
- 旧耐震基準の住宅を、最新の耐震基準に適合させるための大規模改修を行う
スケルトンリフォームをするなら、事前に建築確認申請が必要かどうかをチェックし、計画を立てることが重要になります。
4. 再建築不可物件の大規模リノベーション
「再建築不可物件」とは、建築基準法のルールに適合しておらず、新しく建て替えができない物件のこと。
これまでは、小規模なリフォームや補修なら可能でしたが、2025年以降は
大規模なリノベーションをする場合に建築確認申請が必要になるケースが増えます。
例えば…
- 建ぺい率・容積率オーバーの住宅を大幅に改修する
- 建築基準法に適合していない古い建物を、大規模にリノベーションする
- 接道義務を満たしていない建物で、耐震改修や間取り変更を行う
再建築不可物件のリフォームは、工事内容によっては現行の建築基準法を満たすことが求められるため、
事前に専門家へ相談するのがベストです。
増築リノベーションで注意すべきポイント
2025年の建築基準法改正により、増築リノベーションのルールが大きく変わります。
今まではスムーズに進められた工事でも、事前に確認すべき規制や手続きが増えるため、慎重な計画が必要です。「思っていたよりも制約が多くて、工事が進められなかった…」とならないためにも、
事前に確認すべき法的規制や手続きの流れ、費用についてしっかり把握しておきましょう。
1. 建ぺい率・容積率の制限
「建ぺい率」と「容積率」とは、建物を建てられる面積の割合を決めるルールです。
この制限を超えてしまうと、増築やリノベーションができない可能性があります。
- 建ぺい率50%の土地に、敷地面積の50%以上を占める増築は不可
- 容積率100%の土地で、増築後の延床面積が土地の面積の100%を超えるとNG
計画を立てる前に、増築後の建ぺい率・容積率が基準内に収まっているかを必ず確認しましょう。
2. 防火地域・準防火地域の制約
住んでいるエリアによっては、防火対策のための制約があることも。
特に、防火地域・準防火地域では建材の制限があり、一定の耐火基準を満たした素材を使用する必要があります。
- 外壁や屋根に耐火性能のある建材を使用しなければならない
- 木造住宅の増築は、耐火建築物の基準に適合する必要がある
防火地域では、小規模な増築でも建築確認申請が必須になるため、事前に自治体のルールを確認しましょう。
3. 再建築不可物件の制約
「再建築不可物件」とは、建築基準法の接道義務(幅4m以上の道路に2m以上接していること)を満たしていない建物のことです。
このような物件では、増築や大規模リノベーションに制限がかかることがあります。
- 増築すると違反建築物扱いになる可能性がある
- 間取り変更でも、耐震基準を満たさないと許可が下りないことがある
再建築不可物件のリフォームを計画する場合は、専門家に相談し、許可が得られるかを事前に確認することが重要です。
4. 省エネ基準適合義務化(断熱材や換気設備の基準が厳格化)
2025年の改正で、一定規模以上のリフォームでは省エネ基準の適合が義務化されます。
これにより、断熱材の性能向上や換気設備の設置などの追加工事が必要になるケースがあります。
- 外壁や窓を改修する場合、断熱性能を満たした建材を使用する必要がある
- リフォームで冷暖房効率を考慮した換気設備の導入が求められる
「今まで通りのリフォームをしようと思ったら、追加の断熱工事が必要だった…」とならないよう、
省エネ基準が適用されるリフォームかどうかを事前にチェックしましょう。
確認申請の手続きや費用
2025年の法改正により、増築やリノベーションでは建築確認申請が必要なケースが増えます。
「いざ工事を始めようと思ったら、申請手続きが必要でスケジュールが遅れてしまった…」とならないためにも、手続きの流れや費用について事前に知っておくことが大切です。
確認申請の流れ
1. 設計士・リフォーム会社との相談
- 増築やリノベーションの計画を立てる
- 建築確認申請が必要かどうかを確認する
2. 建築確認申請(設計図・構造計算書の提出)
- 設計士が建築確認申請の書類を作成し、自治体へ提出
- 審査期間は2週間~1ヶ月程度
3. 審査通過後に着工
- 申請が承認されてから、ようやく工事がスタート
「思ったよりも申請に時間がかかってしまった…」というケースもあるため、
余裕を持ったスケジュールで計画を立てることが大切です。
申請にかかる費用の目安
項目 | 費用の目安 |
建築確認申請費用 | 15~30万円 |
設計・構造計算費用 | 30~100万円 |
省エネ基準適合の追加費用 | 10~50万円 |
リフォーム全体のコスト増加 | 施工内容により異なる |
建築確認申請の費用は、リフォームの規模や地域によって異なるため、
早めにリフォーム会社や設計士に相談し、正確な費用を把握しておくことが大切です。
リフォームをスムーズに進めるために
2025年の建築基準法改正によって、増築やリノベーションの手続きや規制が厳しくなります。
「事前に確認しなかったせいで、リフォーム計画が思うように進まなかった…」とならないためにも、
以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。
- 増築やリノベーションの計画前に、建ぺい率や容積率をチェックする
- 防火地域・準防火地域の制約を確認し、使用できる建材を把握する
- 再建築不可物件の制約を考慮し、事前に専門家へ相談する
- 建築確認申請が必要なケースを理解し、スケジュールに余裕を持たせる
改正後もスムーズに増築リノベーションを進めるために、早めの準備と計画がカギになります。
まずは専門の業者や設計士と相談し、最適なリフォームプランを立てましょう。